2012年10月10日水曜日

くるまや(島田橋本店)@名古屋

最近、太門のおかげで名古屋によく行くようになり、はまり気味。

香川出張や大阪出張の行き帰りについつい寄ってしまうのだ。

これまで何百回も素通りしてきたのが実に悔やまれる。

今回も、太門と名古屋施術の為にやってきた。

お昼間に太門の店長と一緒にうどん屋めぐり。


地下鉄鶴舞線八事駅から少々遠いので、タクシーでチャレンジしてみた。

八事には、興正寺なる大寺院があり、そこを見物してから、お寺の前を通るタクシーを拾う。

東京で慣れていると、流しているタクシーの数が圧倒的に少ないので、結構苦労する。


お店は大通りに面しているだけあって、雄大なつくり。

ディスプレイにはレストラン的なメニューが沢山並ぶ。

典型的なロードサイドのレストラン的店舗だ。

さて、香川的視点で誠に申し訳ないのだが、


香川では


「うどん屋は汚ければ汚いほどいい」


とか


「怪しければ怪しいほど美味い」


とか


「うどん屋は小さければ小さいほど良い」


とする傾向があり、実際その通りだったりするので、

こういう「きちんとした」大規模店はほぼ期待されない。

実際期待以下であることが多い。


さらに、くるまやは、うどん、蕎麦、きしめんを扱う。

これも香川的にはマイナスポイントで、

メニューが多いのはストイックじゃないと評される。

神経が分散されるので、味が落ちると決めつけられる。



しかし、だ。

これだけの規模(100席)で、この麺の種類を、全て手打ち手切りをしていると聞いて、

猛烈に興味を持った。

最後の「手打ち手切り」は、香川県のうどん好きが思わず反応してしまう強烈な+ポイントだ。


きちんとしており、大規模店で、

数種類の麺を扱うというマイナスポイントと、

手打ち手切りというアピール。

こういう融合は香川ではあり得ない。

手打ち手切りは香川では「宮武」の大将に象徴される神聖で超人的な仕事とされ、

手打ち手切りのお店は小規模店かつ、昼の数時間の営業のみの店が多い。


3種類の麺を手打ち手切りで打ち分け、

更に席数100

夜営業あり

なんて、一体全体どうなってるんだ!?? 

と思ってしまうのが、香川県民であり、私もその1人だ。


しかし、名古屋では一店舗で、

うどん・そば・きしめんを出すのは当たり前。

手打ち手切りも当たり前。

しかも特にそれを売りにしようとは思っていない、

という恐るべき土地だったのだ。


店舗に入ると、大将黙々とガラス張りの小部屋の中で将にうどん打ち中。



香川のに比べると、随分細い棒だ。

そして、手切り。




うどんは白いが、大将は黒い(笑)

コマ板を使用するのが、こちらの流儀。

完全に目分量で包丁を当てて行く、宮武式とは、ここが大きな違いではある。

ともかく本当に手作業している。びっくり。


提供されたのは、まず「しのだうどん」

関東だと刻みうどん、だろうか。

揚げが刻まれている。


大ざっぱにいえばキツネなのだが、

しのだの森のキツネ=安倍晴明の母親

だっという有名な伝説があるが、

昔の人にはキツネといえば、信田の森、というイメージがあった。

そこで「きつね」と言わずに、わざわざ「しのだ」と呼んだ一種の言葉遊びである。

優雅だ。


ダシはこれも名古屋独特の白だし。

白醤油使用。

見た目は香川のイリコだしより透明なくらいだが、しっかり塩味とうま味。

これはいい。

麺も美味い。




続いてきしめん。天ぷら付けてみた。

天ぷらもよく揚がっているし、何より




つやつやのきしめん。

きしめんは有名だが、名古屋駅のホームや、

駅近くの立ち食いそば屋みたいなところでちょっとだけ食べたことがある、

という程度の人が多いのではないだろうか。

そして大体の人が、平べったいうどんであり、一度食べれば十分だな。

とおっしゃる。

僕も実に長くそうだったが、名古屋に来始めるとやはり全然違う。

手打ち、茹でたての

きしめんを食べたことがある人がどれくらいいるのだろうか?

実際に食べると、これはホームのきしめんとは全然違うことがすぐわかる。

是非一度お試し頂きたい一品である。

モチモチです。

さて、次はなんと言っても味噌煮込み。


写真では分かりにくいが、ぐつぐつ沸騰中。

そういえば、

味噌煮込みに入れるうどんは、塩分を入れない。

とうことは、くるまやで作っているのは、厳密には麺4種類。

しかし「厳密に」というのは一般的な感覚で名古屋のお店では

塩分を入れる一般的なうどんと、味噌煮込み用の麺は別の物として考え、

その麺を「煮込み」と呼ぶ。

よって厳密ではなく「まさしく4種類」といったほうが正しい。

要するに

うどん

そば

きしめん

煮込み


の4種類が製作されているのだ。

上に3種類と書いたが、訂正である。



どれも素晴しい出来映えだし、

「当店は茹でたてを提供したいので20分待って云々」

ということもなく、茹でたてがドンドン提供される。


素晴しい。


ロードサイド、立派な店構え、沢山のメニュー、4種類の麺

席は100席

しかし手打ち手切り 

そしてもちろん美味

という奇跡のようなことが当たり前のように行われている

名古屋という土地と、くるまや@名古屋

びっくりです。
(注・蕎麦のみ機械切り)

香川系うどん好きに是非行って貰い、私の様に目から鱗を落として頂きたいものです。

地元の組合である、愛知県麺業青年会ではこんな取り組みも。

メニューが多い!!





それを裏付けるように、壁には数種類の麺棒。

今度ゆっくり見学させて頂きたいものです。

しかし、ネットで検索しても、食べログにも殆ど情報なし。

でも、お客の入り多数。

本当に地元に愛されている店はこういう感じですね。



☆☆☆店舗情報☆☆☆

名古屋市天白区中砂町532

052-833-3246

営業時間??