2012年8月12日日曜日

須崎 製麺所系うどん その2

もう一軒、製麺所系。

前回の道久製麺所の後、もう一軒初めての所に連れて行って頂いた。

須崎である。見た目はただの商店だが、その奥で饂飩を作っている。

スーパーが無かったころ、こういう商店が各町にあった。

たまたま、小売店と、製麺所が一緒になっている。


製麺所と行っても、大量に作れる訳は無く、殆ど手作業なので、

ご近所の人が玉を買いに来る+近所の食堂へ卸す

に対応する程度のものだったのだろう。

道久製麺所も大きくはないが、それより更に小規模だ。



商店の奥でうどんを一から作成しており、そのままを売ってくれるならこんなに良いことはない。

買い物のついでに、茹でたてに近いうどんが食べられるわけだ。

中に入ると、出来たてのうどんがセイロに盛られている。



うまそ~~




さて、前回、道久の麺は卸してから食べられるまでの時間を考えて非常に固い、

と書いたが、ご近所狙いで、スーパーに卸したりしていない須崎は、

もう少し食べられるまでの時間が短いのだろう。

したがって、うどんも、普通のうどん屋で食べるものに近い食感である。


注文するD氏



先ほどの写真だが



奥が製麺機である。

製麺機、とは行っても、延ばしたりする重労働的手作業の代りをしてくれるだけで、

粉を入れれば勝手にうどんが出てくる、というような、オートマチックな代物ではない。

手作業工程は機械を使用しても多分に残っている。



さて、このうどん、忙しく働いて殺気立っているおばちゃんの作業と、気分の合間を上手くついて、

「分けて頂く」

という感じでアプローチ。

セイロから無造作に一玉取って渡してくれる。

金払ってんだから、食べさせろよな、という様な都会的アプローチは不可である。



以前は、道久製麺所と同じく、それでタマを持って出て、

マイどんぶりにて、車の中などで食べる、ということをやっていたそうだが、

店側がどんぶりを用意するようになったらしい。

道久でのどんぶりをそのまま持っていったが、

情報によると、少なくとも2005年時点では丼が出ていたそうだ。


2005年と言えばうどんブームの後である。

本四架橋と同時に始まったうどんブームは関西圏のお客さんの大量流入をよんだ。

こんな商店の奥で食べさせるうどんなんて、古くさいし、訳がわからん、

と言っていた香川県民に対し、都会からの客にはこういう風景が「面白く」

映ったのだろう。  

長年、一番触れていたはずの県民からではなく、都会の人の「再発見」によって、

こういう店が発掘された例は多数だ。

須崎も、徐々に発掘され、2005年時点で既に

「一玉分けてくれませんか??」

という客が増えるのに、対応していたということだ。


「一玉分けてくれませんか?」

からはじまり、いつの間にか丼が置かれ、箸が置かれ、ダシがおかれて葱が置かれ…

こんな感じで、イートイン出来るようになった製麺所は多い。





さて、うどん。

この、手作業感漂う製麺室、手前のおばちゃんの前に、

割り箸と「つゆ」、生卵等々が無造作に置かれているが分かるだろうか。


ここでうどんを受け取り、好みで、生卵に絡めたりする。

しかし「つゆ」も、思いっきりスーパーのそのまま(笑)


今回は、置いてあった得意の「味の素」に、

生醤油をかける

「味の素+生醤油=簡易ダシ醤油」

で頂く。

スーパーで売っているダシより、こっちの方が美味い、と思う。


味の素が、まだジャリジャリしている(笑)

これを、店の隅で頂く。

須崎家の、部屋の隅で、おっちゃんの横に座って食べるD氏。


素晴しい光景だ(笑)(笑)


僕のうどんは、D氏の右にある。

後ろの扉には、役場から来たお知らせや、業者からの請求書など、重要な封書が、セロテープではっつけてある(笑)

こんな感じでユルユルにうどんを食べたい方、是非!




2012年8月9日木曜日

道久製麺所

香川のうどん屋めぐりは、店舗だけではない。

今回は、製麺所でそのまま食べる、というバージョン。

これもなかなか人気がある。

写真はちょっと古く、二年前だが、全体的には特に変わっていない。そのままである。

この日同行してくれたのは、以前紹介したファンシーうどんを教えてくれた、麺通団団員某氏である。

うどん好きの間では非常に有名な麺通団だが、ご存じ無い方も多いと思う。

麺通団、とはうどんブームを作った立役者とされる集団だ。

これから度々出てくるだろう麺通団だが、この記事はまた後日にゆずりたい。

要するに、非常にうどんが好きで、とても詳しいおじさん、と思っていただければよい(^^)/




さて、クーラーボックスを手にした某氏と道久へ。

「手打ちうどん」と看板に書いてあるが、これは??で、中は製麺機がフル稼働する製麺所。



そして、美味しそうなおうどんが、セイロにザクザク。


これを、近隣の食堂や工場に持っていったり、

袋詰めにして近所のスーパーで売ったりしている。

香川県民は、うどん屋だけでうどんを食べるにあらず。


職場でも、家でも、とにかく食べるのである。

従って

製麺業というのが成り立ち、これだけでも沢山ある


道久製麺所もこの一つで、食堂施設はない。

食べる場合は、玉で買って食べる。



普通に近所のスーパーで買えば良いのだが、

出来たてを食べてみたいのが人情。

その場合どうするか。

先ほどのクーラーボックスの中からは…



マイどんぶり、マイ箸登場!!


おばちゃんに、生産ライン?

で出来たてのうどんを一玉分けて貰い(75円)、マイどんぶりに。

そこら辺のビールケースを使用し、テーブルにするのだ。




この日は、蠣醤油と、味の素を持参。

味の素を沢山ふって、蠣醤油をかければ、簡易ダシ醤油のできあがりだ(笑)

蠣醤油ではなく、普通の醤油でも当然かまわない。



味の素=悪



という天然素材至上主義の方にはあまり受け入れられないだろう。

天然素材至上主義の方は自然の少ない東京に多いが、

自然の多い田舎の人間はあまり拘らないのが面白いところだ。


香川のうどん屋では味の素をテーブルに置いてある店も多い。


理由は簡単で、上記の様に簡単にダシ醤油が作れるからだ(^o^)


ここら辺の消息も、そのうち記事にしたい。




さて、完成?したのがこちら。

見るからに太く、固いのが伝わってくる。


食感は、エッジが立っているどころの話ではなく、ガッチガチに近く、

固くて太いうどん大好きな人にはストレートど真ん中だろう。


よく讃岐うどんで言われる「喉越しを味わう」


なんてことをやっていると、確実に窒息する(笑)


何でこんなに固いのか?


答えは簡単で、



数時間後に食べることを想定しているからである。




これを食べて

讃岐うどんは、コシが有るな!

と感動する人がいるが、この堅さを普段食べているわけではないのだ。



これがホントの讃岐うどんのコシです!とか言うと、恥ずかしいのでご注意。



ただ、時々無性に食べたくなるのは間違いない。


しなやかで、ツルツルしている普通のも美味しいが、これも間違いなく1ジャンルである。








さて、これをそこら辺に座って食べるのである。


又は、車の中で食べている人も多い。



うどんは午前中に作って各所に配るので、

分けて貰いたい方は午前中にどうぞ。


希に午後、麺が足らなくなって急遽茹でていることもあるそうだが、午前が基本。

あとは、あくまでもうどん屋ではないので、そのつもりで行ってももらいたいものです。

本当に何もなく、買えるのは玉のみ。

家に持って帰らない場合は、マイどんぶりと、箸、調味料は必須です。