2012年9月5日水曜日

追悼 豚太郎 陶店

日々早いもので、ネタにしようと思っている間に無くなってしまう店もある。

今年の五月に突然閉店してしまった豚太郎陶(すえ)店もそうだ。

(陶、は地名)

夢にも思わなかった閉店には大変驚いた。

今回は追悼として、色あせないうちに載せておこうと思う。

豚太郎(とんたろう)は、四国では大変おなじみのラーメンチェーンである。

ラーメンと言っても東京で流行っているような本格的なものではなく、メニューも定食は当然、

焼き肉などもあるうえ、店によっても全然メニューが違う非常に緩いチェーンだ。

各店共通しているのは、赤色の看板等の店構えと、ラーメンと餃子くらいだろうか。

チャーハンですら店によって有ったり無かったり。餃子も店によって全然違う。

そんな、香川県民にとっては古くからある

「特に存在を意識しない店」

といった雰囲気の存在なのだが、にわかにうどんファンの間で話題になり始めたのは

2010年の初夏だろうか。




僕が情報を一番始めに掴んだのは、この店の前を通勤で毎日通る姉からだ。

ある朝、店の前を通りかかると、

いつもは「豚太郎」と赤地に白の字で大きく書かれた暖簾がさがっているのだが、

その日は青地に白で「うどん」と書かれた暖簾が下がっていたというのだ。

えっ??と思いながらも何となく通過してしまい、その後、一日気になっていた。

翌朝、通りかかってじっくり見てみると、いつもと変わらない「豚太郎」の赤暖簾。

その後、ずっと豚太郎の赤暖簾が続き、姉は

「自分が見たのは何だったんだろうか?目がおかしくなったのか?」

と悩んでいたのだが、

その後の調査により、

「店長の趣味で毎月第一火曜日と第三火曜日のみ、うどん屋になる」

という情報を掴んだ。




その後、チャンスをうかがっていたが、何しろ営業日が短い。

大変だったのだが、遂に数ヶ月後に訪れた。

その時の写真である。

夕暮れ迫るなかでの、今は無き豚太郎陶店の勇姿!!


上には



「ラーメン豚太郎」



のネオン。

店を取り囲むテントには




「めし しる おかず 御食事処」



の文字。

入り口には




「うどん」



の暖簾。



一体何屋だ(笑)!!



ちなみに「めし、しる、おかず」

という表記は香川の食事処にはよくある。

確かにうどん屋だらけで、うどんを食べている人は多いのだが、

定食屋だって香川には沢山あるのだ。

案外「最近うどん食べてないな~」という県民も多い。

まあ、とはいえ東京なら「最近」は一年くらいを指すだろうが、香川では二週間くらいだろうか(笑)





さて、メニューはうどん定食。

これで500円(^o^)!!



普段から唐揚げの美味い店だったが、ここでも手を抜かず、しっかり作ってある。

盛りつけも田舎の食堂にしては十分美しい。


うどんは、ちゃんと手打ちである。

ややゆるめの、典型的な香川のかやくうどん、である。

今年の春に店舗の外装を一新したので、

これからも頑張ってくれると思っていたのだが、その二ヶ月後に突然の閉店。


もう1回行ってみたいなぁ。

ラーメン屋が突然うどん屋をやったりするおもしろさが如何にも香川的であるし、

なにより外観の素晴しい写真(笑)を見て頂きたかったので取り上げてみた。

焼き肉や、湯豆腐も美味かった豚太郎陶店。カンバック!!