香川のうどん屋は、殆どが店主の苗字をそのまま店名にしている。
従って、香川に比較的多い「山下さん」がやっているお店も必然的に多く、
「山下」といううどん屋は数多く存在する。
「三島」も同様で、地名で言い分けないといけない。
この見た目で、営業中の店舗である。
県外の人は誰も入る勇気が湧かないかもしれないが、香川ではこれでも結構マシな方である(笑)
店内に入ると、誰もいない。
奥でばあちゃんが、厨房の床を掃いている。
厨房を覗き込み
「うどん、ええかな」
と声をかけるが、見向きもしない。しかし「はい」と返事をしたような気がする。
ということで待つ。
入った瞬間に「いらっしゃいませ!!」と声がかからないからと言って怒ってはいけないのである。
というか、香川のうどん屋では不思議と全く腹がたたない。
さて、テーブルの上にあるお茶を勝手に飲みながら、いなり寿司をこれも勝手につまみながら待つこと5分ほど
「うどんやな?(訳=饂飩を食べに来たんですよね?調理に着手していいですか?)」
とばあちゃんが顔を覗かせる。
やはり聞こえていたようだ(笑)
更に待つこと5分。
饂飩が運ばれてくる。
ちなみに、メニューは無く、うどんはこれ1種類である。
香川らしいゆるゆるのうどん。
このエリアは蜜柑農家が多い。
そんな関係で、ここでも適当に蜜柑が売られている。
そんなのを見ながら饂飩を頂く。
棚には、
坂出市の小さな醸造所「ミズオー」の醤油。
醤油と言えば、キッコーマンや、マルキン、みたいな世の中だが、
その多くはこの数十年で潰れてしまったが、まだ頑張っている所も結構おおい。
店を出ると、丸尾の醤油家の軽トラと遭遇。
これも小さいけれど、東京のうどん屋さんで使っている所も多い、醸造所だ。