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2013年1月17日木曜日

うどん屋?いや、製麺所。 三嶋製麺所

うどんブーム以来、大阪、東京など、都市部から香川へのうどん訪問が盛んになった。

「分かりにくいうどん屋」

「民家みたいなうどん屋」

が大いにもてはやされた。


須崎なんかは、その典型例だろう。





道久製麺所もなかなかいい。



しかし、これらは厳密にはうどん屋ではない。

製麺所である。

前回の堂尾でも書いたが、そもそも麺を作って、

お店やスーパーなどに卸していたのである。


製麺所は、うどんを作るだけで、

本来うどんを食べさせる場所ではないのだ。




ところで、製麺所の近くに住んでいる場合、

近所のうどん好き(うどん好きだらけだ)はどの様な行動を取るだろうが。


当然、スーパーなどに買いに行くより手っ取り早いので、

「一玉直接わけていた(分けてくれ)」

と言いに行くに決まっている。


田舎のことであるから、断わることはありえない。

うどん玉は大量に作るので、一玉くらい分けたところで、大丈夫。


そんなノリになるのは目に見えている。


昼飯の時、うどんを食べたい。

徒歩三分の所に、うなるほどうどんがある、製麺所がある。

こういう場合、

丼を持って行って「これに一玉入れてくれ」

と言いに行くのが一番話が早いのである。



そしてそのうち、

家に持って帰るのも面倒くさいから、

ここで食べさせてくれんか?

となる。

讃岐人は立ったままうどんを食べるのが平気である。

店が混んでいると、立って食べてる人をよく見かける。


ずるずるっと、一分も経たずに食べ終わるので、

立っていても平気だ。



讃岐の基本的な麺は、かなり柔らかく、

うどんは飲み物であり、喉越しを味わうべし

ともよく言われる。

東京で発達した讃岐うどんは、かなり固いので、

立って一分で食べることも、もちろん

噛まずに飲み込むことも不可能だが、

香川の麺ならいける。


そして、醤油をかけて、製麺所の片隅で立って食べる。

こんな感じで、近所の人を受け入れていたら、

うどんブームでどんどん都会の人が紛れ込み始め、

儲かるから嬉しいやら、大変やらでどうしたらいいか分からないうちに、

すっかり店舗のようになってしまった所も多い。


そいう店のことを

「製麺所系うどん屋」

と言って区別している。

始めからうどんの提供を目論んで成立したものではなく、

製麺の傍ら、近所の人に一玉分けてあげていたのが、拡大したのが製麺所系うどん屋だ。



これらは、そもそも飲食店としての店舗設置を考えていないので、

お客が来やすい必要はない。


従って、とんでもない山の中とか、

国道から1本も2本も裏道に入った田んぼの中とか、

住んでいる人しか通らない路地の奥とか、

そんな所に気ままに点在している。



お店は、マーケティングをして、人通りの多い場所に作るべし、

という鉄則に従って作られている都会の店(というか、普通はそう作られている)

に慣れた人にはこれが目新しかったわけだ。


今でも、製麺所兼飲食店として二足の草鞋で頑張っている店は多数有る。

香川うどんツアーの人気を担っているのは、こういう店が殆どだ。






三嶋製麺所も、こんな感じである。

まったく店舗には見えないし、

営業しているのかしていないのか、全然分からない。



お客が少なく、出入りしていない状況だったら、ここに始めて来て入るのは相当勇気が必要だろう。



中は雑然(笑)

右の台で、おばちゃん達が完全な手作業でうどんを作成。

セイロに詰めている。

機械化のかけらも感じられない、アナクロそのものの雰囲気に痺れる(笑)


でも、うどんは、つやつやしてとても美味しい。

製麺所で頂くうどんの良いところは、店舗の面白さだけではない。

茹でたてが食べられる、という香川ではなかなかない、利点があるのも製麺所ならではだ。



この日は釜玉。

あつあつのうどんに、卵、味の素、醤油。以上!!!










2013年1月16日水曜日

堂尾@坂出

香川県の中心部にある坂出市は、

瀬戸大橋で有名な地である。


また、讃岐うどんの中心地としても名高い。

讃岐うどんにおける、香川の県庁所在地は、

決して高松ではなく、坂出か、丸亀か、綾歌郡。

ここらへんの香川の中心地、

いわゆる「中讃(ちゅうさん)」と言われるエリアである。



田んぼの真ん中、川のほとり、藪の中、森の中など、

変なところにうどん屋は点在しているが、

坂出市の市街地には、住宅地の中にわりと店舗らしい形態のうどん屋が

ポツポツ点在している。

ただ、その数は減ってきており、絶滅寸前だ。


その中の最右翼が

「堂尾(どうお」

である。

注・店舗の名前は、香川では基本的に店主の名前である。




 これの何処が店舗らしいのか、

と言われるかもしれないが、香川的には、

暖簾があり、何より入り口に「うどん」

と看板が出ている時点で(看板が小さいことには目をつぶって下さい)

まったくもって、完璧に店舗であるとしか言いようがない。


なにしろ、この程度のこともクリアしていないお店も多数あるもので(笑)



中は至ってシンプル

釜、流し、製麺機(限りなく手作業に近いが)だけ。

本来、うどん作りとは、これほどまでにシンプルだったのですね。





 手前の箱は「セイロ」

ゆで上がったうどんを玉にして、ここにストックします。

昔はビニール袋に入れる機械などなかったので、

うどんは全てこれに入れられて保存されたり、運ばれたりしました。



どう使うのか分からない、シンプルな製麺機があります。

この規模のお店で、製麺機が入っているのですが、

これはこのお店が「製麺所」だった名残です。



以前、おばあちゃんの旦那さんが生きていたときは、

ここで毎日うどん玉を製作し、近所の店に卸していたわけです。




今はおばあちゃん1人、一日20玉ほどを

近所の人々が饂飩をたべがてら、

話をしに来るのを楽しみに、作っています。



 注文すると、まず雪平鍋を持ってばあちゃんが現れます。

これは、かけ汁をコンロにかけて温める為です。

温まると、うどんをセイロから出します。

うどんは、朝イチに全部茹でて、玉にしてセイロに入れておき、

その後茹でることはありません(以前は昼も茹でていたということですが)。


お客さんの顔を見てから茹でる店が東京には沢山有りますが、

ここは一度に茹でて置いておく香川のスタンダードスタイル。

午前、昼、午後とだんだんフニャフニャになってきますが、

このフニャフニャ加減が実に美味しかったりします。


きっと、東京で讃岐うどんに入門された方は

午後にこういう店に行くと、コシがない!柔らかい!ブワブワだ!

と、美味しいはずの本場で幻滅されるかもしれませんが、

本場のうどんは大体柔らかく、そして茹でた後に時間が経っているのでフワフワです。


しかし、これが美味しく感じるようになってきますし、

感じるようになってくると、

新たなうどんの世界が広がっています(^^)/

なにしろ、


茹で上げすぐのうどんでなければならない、

という文化は香川にはありませんでした。


都会のスタイルを踏襲して、

茹で上げすぐを提供する店も増えてはいますが、

あまり茹で上げ「直後」に拘っている店は釜揚げ専門店以外ありません。

(茹で上げ後、15分~30分以内の麺を提供という店は増えた)


注・絶対的な美味さはやはり茹で上げすぐであることは間違い有りません。

しかし、効率の問題から、香川ではお客様に個別に茹で上げるというスタイルは一切、

と言って良いほど存在してきませんでした。

今は贅沢な時代になったと言えます。

茹で上げ後時間が経った麺は、ノスタルジーをかき立てられるので美味く感じるという、

一定年齢以上の香川県民の、

幼児体験に基づくものである面もあります。

これは自覚しています(笑)しかし、


これはこれで、独特の美味さがあるのも間違い有りません。

お試しあれ。


さて、上の写真では、釜を使っているように見えますが、

釜にはもうお湯が入っているだけで、うどんは先述の様に入っていません。

丼やうどんを温める為に使うお湯が溜められています。


 釜からお湯を汲んで丼に入れて温め、

テボ(手網)にセイロから取ったうどんを入れて、

釜のお湯で数秒温め、

丼に盛って、雪平鍋で温めた汁をかけると、できあがり。



シンプルイズ・ベスト!!

太く、ぼってっとした、茹で上げ後時間が経って腰の抜け掛かったうどん。

これぞ、香川、という感じです。

右に写っているのはショウガのすり器。

上に写っているショウガを擦って入れます。


このお店も、現在90位になるばあちゃんが、うどんを作れなくなったら終わりです。

是非一度、そっと足を運んでみて頂きたいと思います。



2013年1月9日水曜日

讃岐うどんにおける、特殊な天ぷら事情

さて、今回は、香川で讃岐うどんを食べるときに初心者を悩ます天ぷらの話。





香川のセフルの店では、このような状態でうどんを渡される。

ちなみに、これは「中西」のうどん。

美しいですね。

かけだしは、限りなく薄いので、まるで掛かっていないように見えますが、

しっかり味はあります。

これを見ると、関東のうどん汁が如何に濃いか良く分かります。




それはさておき

その後、どの様にアレンジするかは、自分次第である。

店によって置いているトッピングは色々違うので、

ここからは中西での話ではなく、県内の一般的な話である。


フライなんかもいいですね。

ウズラの卵のフライは、結構人気があり、僕も大好き。

後ろに見える天かすも定番です。これは間違いなく無料。





肉うどんもいい。

これは大体店が既に肉を掛けた状態で提供してくれます。

かけうどんに、甘辛く煮た牛肉を載せたものです。



もちろん、揚げも定番。

ちなみに、香川では

「おあげさん」

と、接頭語と接尾語をつけ、丁寧に呼ぶことが多いです。

理由は… 知りませんm(_ _)m





恐らく最もポピュラーなのが

ちくわの天ぷら

であります。

地元の人は

TIKUWA

と発音せずに、

TIKKWA=チックワ

(アクセントは「チ」・最後のクワは、限りなく短く)

と言ったりします。



こんな組み合わせ、いいですね~

ちなみに、味の素は

これを、だしを掛けないうどんにガンガンふりかけて、

テーブルの生醤油をたらして

「簡易ダシ醤油」にして食べる為のものです。

あとは、


かき揚げも、天ぷらの王道として大人気。


しかし、香川には

てんぷらがもう1種類存在する。





こいつである。

魚介類のすり身、要するに蒲鉾の様なものを素揚げにしたもので、

これも天ぷらという。

これも、と書いたが、むしろ香川では

天ぷらの基本はこっちだったりする。


所謂全国的な天ぷらと、県民はどう区別しているのかというと、

全国的天ぷらと、これが同じ場所に並んでいる場合

こちらを


平天(ひらてん)


と呼んで区別している。

平天にも色々あり、

写真の赤いやつは海老を練り込んだもので、香川では非常にポピュラー

その他は、特に何も練り込んでいない状態の

白い平天の中に、色々な者を混ぜてあげたものも一般的。

形状は、写真にある棒状、又は円盤状。


混ぜるものは、タコ、キクラゲ、豆、等々。

この手は、三重でも名物としてよく見るし、

平たくないものは全国的に色々な場所でよく見ます。



従って、赤い棒状の平天が一番香川的かもしれません。




白い平天の例。

ゴボウと、人参の削ぎ切りが混ぜられています(練り込まれているのではない)




あんまり白くないですが、豆が混ぜられている例。

それにしても、だし汁が透明です。


ただ、こんな複雑な例も。



平天を更に衣をつけて「天ぷら」にしている例(笑)

これは何というかは不明。

ちなみに、国分寺の「三島」で食べられます。



東京でも讃岐うどん屋が徐々に増え、

本格的な讃岐うどんが食べられるようにはなってきましたが、

平天を入れている店は滅多にありません。


香川で是非一度ご賞味下さい。



2013年1月5日土曜日

年明けうどん 2013

今年の正月は、

年明けうどんカップラーメンバージョン



http://zugai-no-yuragi.blogspot.jp/2012/12/blog-post_3021.html

http://zugai-no-yuragi.blogspot.jp/2012/12/blog-post_30.html

このところ、上記のように年明けうどん記事を書いているので、その続き。

さぬきうどん振興協議会なる、香川県内の業者団体が、

2009年から仕掛けているムーブメントである。


初めは香川県内のうどん屋さんでぽつぽつ見る程度だったが、

天下の日清とのコラボである。



これが公式マーク。

年明けうどんの定義は、15日までに売り出し、紅白の彩りが具などにあること

という結構ゆるいもので、参加はしやすい。

さて、どん兵衛と、ごんぶとという、日清の二大看板即席うどん。

両方からの年明けうどんリリースである。

 やはり美味かったのは圧倒的に「ごんぶと」

カップ麺のチープなうどんは結構好きで、

職場でもよく食べる。


食べているとうどん好きなことを知っている同僚から

「カップ麺うどんなんか食べてる!!!」

「普段美味いの食べてるから、

そんなの食べられたもんじゃないでしょ!??」




とか言われるが、これはこれの良さがある。

しかし、やはり生麺の「ごんぶと」と同時に食べると、寂しい気分にはなる…




と、なかなか美味い「ごんぶと」であるが、見た目の悪さはどうしようもない…

縁起物はかまぼこと、小さなお花型のかまぼこ。

あとは、海老のつくねのようなモノが入っており、結構いけるのだが、

見た目のアップには貢献していない。



その点、どん兵衛の方が



梅干しが入っている分面白い。






とろろ昆布と、梅干し、大量の寿かまぼこで、かなりそれらしい雰囲気。

お近くのスーパー、コンビニで多分もう暫く売ってるはずなので、

楽しんでみられてはいかがでしょうか。



2012年11月5日月曜日

第一回大東京うどん会


2012年、8月の頭に大東京うどん会なる、不特定多数のうどん会を開いてみた。

場所は、人形町のうどん屋、谷や、である。


本人は自覚はあまりないのだが、傍目から見ると

うどんマニア

に属していると言われる私、これまでもうどんマニアの会合は何度か主催してきたが、

タマには裾野を広げたくなったのである。

Facebookというシステムがなかなか面白いので、これを利用して、

香川の小学校の先輩と共に、これまで東京であまりうどんを食べたことが無い人を対象に、

人を集めてみた。

総勢33人集まって、おつまみ食べて、飲んで、

最後に谷やのうどんを注文し放題、

という大変豪華な会だった。



実は、幹事が忙しすぎて写真があまりない(笑)

でも楽しかったから良しとするのである。

おつまみのボリュームがありすぎて、最後のうどんが入らなかった人も、

多数居たようだ。


挨拶する谷店長。

場所は実際の谷やではなく、

谷やの二階の「灯」を貸し切った。

綺麗な空間である。


実は、おみやげも豊富。

高松で時々お会いする、

川鶴酒造(観音寺市)、http://www.japan1000.com/kura/?ck=360102

日の出製麺所、http://www.hinode.net/

名物かまど、http://www.kamado.co.jp/

という、香川を代表するメーカーの社長から、お土産も提供頂いた。


家に帰ってからもうどんを茹でたり、香川の酒を飲んだり、お菓子を食べることができるのだ。

川鶴さんから提供された「いりこ酒」は、

日本酒に炙ったイリコ(煮干しとほぼ同じ)を漬け込んだもの。

これが美味い。

http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/economy/20101016000069

さらに、



梅と、ゆずの濁り酒も提供されたが、これも女性を中心に大評判だった。



名物かまど、さんはの1番基本の商品、かまど。


今回は、昔からあるパイ

「フランソワ」を提供して頂いた。香川県民なら、誰でもしっているお菓子だ。

http://www.kamado.co.jp/products/you/furansowa.html




殆どの人がほぼ初対面。うどんだけで繋がる縁。

実に面白い試みだった。


大二回は、名前を「大東京饂飩塾」に変えて開催済み。

第三回もはどこでやろうか、思案中。




みなさん、是非ご参加を。


2012年11月4日日曜日

のびたうどんは好きですか?

讃岐うどんは、コシがある。

という一般論がある。

そして、関西や関東からのグルメな方々は、そのコシを求めて香川に来る。


しかし、実際、香川のうどんはそんなにコシはない店が多い。


コシが有る、

という概念が横行する東京のほうが、

人々の理想に合せるため、

もの凄いコシのうどんを出す店が多いくらいである。


香川で讃岐うどんを食べて、奥深いコシを感じてより深みにはまる人も多い反面、

思ったようなコシがなく、がっかりする人も案外多いのが現状だ。



もともとそれほどコシのないことが多い讃岐うどんだが、

香川は茹で置き文化があり、

これが讃岐うどんをより柔らかくしている。

茹でて15分くらい経ったあたりからコシが抜けてくる。

1時間も経つと、かなりズルズルだ。


従ってコシ重視の東京の店などは、客が来てから茹で始め、

茹でて数分以内の麺を提供する店も多い。

もちろん、間違いなく美味いうどんが提供できるが、

しかし、これは客を15分ほど待たせてしまう欠点もある。



うどんは、香川では(一般的に全国でも)ファーストフードだが、

これはもちろん、既に茹でて置いてあるからだ。

冷やしならそのまま、熱いのでも、湯の中を数秒くぐらせれば提供できる。



ということで、香川では昔から茹で置きが普通なのだが、

この茹で置き時間が半端ではない。

半日くらい当たり前である。


いや、正しくは「当たり前だった」

かもしれない。

茹でたての波はジワジワと香川にも押し寄せ、

100%客が来てから茹で始める、という店も少ない代わりに、

半日以上茹で置く店も少なくなってきた。


30分以内に大体このくらいの客が来るだろう、と見込みで

割と小まめに茹でる店が多いので、茹でたてに当たることも多く、

茹で置きであっても30分以内くらいの場合が多い。



昔の香川の店は、朝イチに一日分一気に茹でて、あとは丸一日、

それを売って過ごす店が多かった。

延び延びのうどんが普通で、

茹でたてなんて、よほどタイミングが良くなければ食べられなかった。

それで、香川県民には、伸びたうどんが好きな人や、

これに強いノスタルジーを感じる人が多い。



朝イチに大量に茹でて、セイロに一玉に取り分け、これで釜の湯は捨ててしまってオシマイ。

午後に行くと、厨房は掃除も終わって完全に休止状態。

片付い非常に静かな店内で、

茹でて延び延びになったうどんを、セイロから出して食べる。

これが原風景だが、上述の事情により随分減ってきた。

そんななか、まだ朝イチ大量茹でのをやっているのが、高松市南部の

「うどんの通」

である。




前回は、うどんが蕎麦に並ぶA級グルメになるためには、

板前の仕事レベルが導入されなければならない。

などと書いたが、香川に行くと、普通のうどん好きでも敬遠する伸びたうどんが好きである(笑)

是非、午後のうどんの通に行って貰いたい。


痺れるような「伸びたうどん」が頂ける。

これはこれで、絶対に美味い。


茹でたてが美味い、というのは、如何にも分かりやすくい話であって、

本場の人間はもういっちょひねくれているのである。



店内は至ってシンプル。

典型的な香川の昔ながらの店だ。

真ん中が、うどんを温める「テボ」

右のケースが、うどんの友、いなり寿司やおにぎりを入れるケースである。

もう、一切の調理器具が稼働していないので、店内はヒッソリとしている。


さて、おうどん


提供は、丼にタマを入れるだけ。

①テボで温めてかけだしをかける、

②温めないでかけだしをかける、

③あたためて醤油をかけて頂く

④温めないで醤油をかけて頂く

選択肢はこのくらいだろう。

自分で好き勝手にして食べる。


醤油の場合、そのままだと、ちょっときついので、

味の素をザクザクかけて頂くと、簡易ダシ醤油になる。

ということで、右上にセルフ店の友、味の素ちゃんとある。

こいつは、セルフ店に欠かせないのである。


茹でたて、化学調味料不使用は、都会が創り出したファンタジーなのである。



2012年11月2日金曜日

東京讃岐うどんはA級になれるか

以下の話は、東京という特殊な場所に限定した話だ。


久しぶりに蕎麦を東京で食べて、やはりこのレベルの高さはただものではないと感じる。


うどんは庶民、蕎麦は高級。

うどんはB級グルメで、蕎麦はミシュランにも載るA級グルメ


こんな図式があるが、蕎麦だって本来はいい加減貧しい食事だ。

出自の貧しさではむしろ、圧倒的に蕎麦に軍配があがるかもしれない。

いつの間にこんなに差が付いたか。

蕎麦が抜きん出たのは、

江戸時代には、貧しい地域の食事から完全に脱却し、

洗練された食事としての更級蕎麦が完成されていたから、そんなこととも関係があるのかもしれない。

あとは、20年ほど前からの藪蕎麦を象徴とする高級蕎麦路線のヒットと、定番化も大きいだろう。



今のうどんブームは讃岐から起こった。東京にそれなりの数の讃岐うどん屋ができ、

美味しいうどんが食べられた背景には、香川発のうどん文化があるのが間違いない。


しかし、この、地方に格差のついた現代における「香川発」というのが、

うどんの高級化の足をひっぱっているのも事実だろう。


うどん屋のステイタスを東京で上げる一つの方法として「本場で修行」というのがある。

しかし、ある程度の箔つけになるのは間違いないが、

「讃岐うどんにしては高い」と言われる可能性も多分に含んでいる。

東京ではかけうどんを大体500~600円で売る店が多いが、

もうこの時点で「高くてバカバカしい」と言われてしまう始末である。

何しろ「本場」の値段相場は100~200円なのである。

「本場」を名乗ることは必ずしも得策ではない。


また、首都圏における香川、さらに四国の認知度とステイタスは極端に低い。

「香川発」という言葉は、そこで修行した人には特別に思えても、

一般人には特別なアピールがあまりないのが現実だ。


もちろん、このままでいい、という意見もあるだろうし、実際は僕もそうだ。

香川では素朴なままでいい。

香川で変に高級感をだしているうどん屋は僕はあまり好きではない。



しかし、中には、蕎麦は高級扱いされるが、

うどんは大衆品扱いが抜けないと嘆く東京の店主も多い。



それで、いかにすればうどんが蕎麦に追いつくか、

追いつく必要もないとは思っているものの、ちょっと考察しているのだ。



更に蕎麦を食べて思うのは、その高級感の演出の違いと、仕事の洗練度だ。

讃岐のうどんは、やはり麺、汁ともに田舎のものだ。


香川の中では「洗練された」という店で修行し、洗練度を売りにしている店もあるが、

板前の仕事レベルが導入されてる蕎麦屋などに行くと、全くの次元の違いに驚く。


香川での洗練は、東京では洗練の端緒に至らない。

これは悲しいが現実だ。

普通の人よりは、ずっと洗練された感じの地方局の女子アナが、

キー局のアナウンサーと見比べると、どうしようもなく見劣りがするのと同じ感じだろうか。

次元の違う見劣り感なのである。


ちょっとおしゃれな内装と食器

それっぽいおつまみ、「高級感」の定番である地酒やレア焼酎。

これらで固めてみても、やっぱり「庶民」と「田舎感」がぬぐえないんである。

高級地酒は、やはり作っている人が凄いんであって、

販売したからといってあまり凄くはないのである。



そば屋にも、数年の修行でお店を開く人も多いだろう。

しかし、そば屋を目指す人の人口は、東京ではうどん屋の比ではなく

中には高校卒業くらいから、ずっと修行している人や、

本格的な板前や、フレンチのシェフから転身する人もいる。

これはラーメンも同じだ。

料理人としてとんでもない素養をもった人がいるので、とんでもない展開が起こって行く。



しかし、東京のうどん界はまだまだ、他業種から数年の修行でうどん屋さんになった人が多く、

うどん自体の技術はそこそこ高くても、その他の料理の技術や、

基本的な飲食業としての接客がダメな店も少なくない。



数年の修行なのだが、職人面をして、黙って食べろ、みたいな感じになってしまうと、

本当に明日がない。

また、料理人としての基礎がないと、研究して色々なジャンルの食べ方や食材を取り入れても、

料理好きの奥さんが作る面白家庭料理の域を出ない。

そして、いい店で食べ歩いていないと、

それが家庭料理の域を出ていないことを自己評価できない。

残念だ。

もちろん、うどんを打つのは非常に難しいから、うどん一筋の職人も必要だ。

しかし、東京では、料理全体のレベルが高くないとなかなか評価されない。


さて、

うどんの地位が低いのは行政も分かっていて、香川県もうどんの地位を上げようと

最近一万円のうどんなんか出して、うどんが高級化する可能性を探っている。


これだ。

オリーブハマチや、讃岐牛などの高級食材をふんだんに使用したらしい。

皆さん、頑張っているから、あんまり悪くは言いたくないが、

これはもう、田舎の井の中の蛙の発想以外の何物でもない。


香川県庁は、東京から戻って就職する人があまり居ないのだが、

東京で数年ブラブラしていた、見識の広い人間をもっと雇うべきだろう。


うどんの高級化と、安易な物産展発想を盛り込んだ適当作品。涙が出る。

見た目も適当で涙が出る。

こんな所にうどんの高級化はない。


どうすればいいか。

本格板前あがりの職人なんかがうどんに本格的に参入してきたら、面白いことになるだろう。

商売人としての素養があり、料理人としても基礎がしっかりしている。

そして研究熱心。

そんな若手だ。


「本場」讃岐人としてちょっと寂しいが、

「本場」発信の方向では、讃岐うどんの活性化には明日はあるかも知れないが、

東京での「蕎麦レベルを目指したい」という目的のうどん地位向上にはあまり明日はなさそうだ。


僕は香川にいたから、うどんについてずっと情報を発信してきたが、

それでも大いに騒いでいるのはこの3年くらいで、

東京ではそれまで基本的に蕎麦と鮨ばっかり食べていた。


香川県庁の職員も、

この二つを東京でもっと食べ歩けば、東京讃岐うどんの、高級化を狙うにあたっての

マイナスポイントは嫌でも見えてくるだろう。

久しぶりに蕎麦を食べてみたいと思う。


もちろん、うどんは無理にA級グルメになる必要はない。

B級万歳である。

しかし、本当に蕎麦と肩を並べるA級グルメとして認知されたいなら、

脱讃岐が必要かもしれない。

それは、讃岐うどんにとっても幸せなことかもしれない。

2012年10月16日火曜日

新旧さぬきの夢

さて皆様、以前、讃岐うどんの粉は殆どがオーストラリア産であるという記事を書きました。

http://zugai-no-yuragi.blogspot.jp/2012/05/blog-post_22.html

これは事実なのですが、国内産も頑張っています。

関東でも北海道でも、そして更によく目を向ければ、細々と全国で作られています。

うどんの世界では、これら国産の小麦粉を

「内麦(ないばく)」 (外国産は、外麦=がいばく)

と呼びます。

安く、圧倒的な量の外麦には、価格の面で全く太刀打ちできないので、

政府のテコ入れが行われており、

販売価格の何割かを国が負担することで安価を実現しています。

しかし、その国の負担額は輸入小麦への上乗せ金でまかなっているという複雑さ。

ここら辺の話は難しいのでまた今度。

詳しく知りたい方はその他小麦情報を含め木下製粉社長の本をお勧めします。

香川の讃岐うどん屋に沢山の小麦を卸している会社の社長が書いた本で、とても面白い。

しかし、実は社長が小まめに書いているHPも面白く、

本に書いてあることは大体書いてあったりする上に、タイムリーだ。

http://www.flour.co.jp/01_update/ud_301_400.html

折角本を書いたのに、こんなにHPにタダで書いてしまったら本が売れないだろう、

と思うのだがあまり気にされていない様子である(笑)

でも、パソコンのディスプレイを長時間見るのは目が疲れるので、是非本を買ってみて下さい。

アマゾンで見ると、中古価格も高いので、新品で買った方がよりいいと思います(笑)



閑話休題。

その内麦の中で、うどん王国である讃岐で品種開発され、

讃岐で育ち、讃岐でうどんとなるために生まれたのが


「さぬきの夢2000」


なる小麦粉です。その名のとおり、2000年より流通しています。

モチモチとしており、香り高い品種で、ファンも多く、

香川に行くと「さぬきの夢2000専門店」というのぼりを上げている店をちらほら見ます。

さて、そんなさぬきの夢2000ですが、味は良いが、普及はイマイチ。

何故かというと、非常に製麺しにくいらしい。
僕はあくまでもうどん屋さんではないので、どのくらい難しいのか体験的には分からないのだが、

みんながみんな、口を揃えて難しい、というので難しいのだろう。

何故難しいかも、木下社長の本を読んでもらった方が話が早い。


特に興味の無い方は、

さぬきの夢2000という内麦があることと、

それが、美味しいけど製麺しにくいということを覚えて頂ければ十分だ。

製麺しにくい、ということは、あまり美味しい麺が食べられない、ということに結果的になってしまう。
そんなこともあり、夢2000の人気はイマイチだった。

イマイチだったのは、もう一つ原因がある。

モチモチとした食感が非常に独特なのだ。

これは万人受けはせず、好きな人は大好きだが、嫌いな人も多い。

結果、あまり消費量は伸びなかった。

そこで、県は打ちやすさに拘って改良した夢2009を開発、昨年から徐々に切り替え中だ。

癖も少なくなっている。

来年には完全に切り替わってしまうので、

両方食べ比べられるのは今のうちだけ。

ということで、やっと本題のこれ。




香川県坂出市の 日の出製麺所 謹製のさぬきの夢2000と2009食べ比べパックである。

香川一古いとされるこの製麺所では、上述の木下製粉の粉を使用して(他社のも使用)、
色々な生麺を発売しているが、夢2009も早い段階から製品化。

左が2009、右が2000。2009の方が色が濃い、というか黄色みが強い印象です。





これ、2000

と、ここまで書いてきてふと思いますが、マニアック過ぎますね(笑)

ということで、さっさと茹でてみます。




上が2009、下が2000

肝心の味は、2000の方がモチモチとしており、非常に特徴がありました。

好きな人は好きだけど、嫌いな人は多分嫌い、というくらいの癖です。

しかし、2009は良くも悪くも普通(オーストラリア産)に近い印象。

内麦食べてる!という強烈な印象は無くなりました。
しかし、オーストラリアに比べるともちもち感はまだまだ圧倒的で、香りも高い。

これから普及が楽しみな粉です。

それにしても、日の出の麺は美味い!!

どっちも美味くて、最終的にはまあ、どっちでもいいか、という気になります(笑)


真ん中の八割研磨については、また今度!!
(このパックスタイルは、三商品とも通販では非売品です)

2012年9月21日金曜日

四国屋  新中野

今日は昼に四国屋に行ってきた。




店主の「あっちゃん」こと、山橋篤美氏である。

世の中では「あっちゃん」といえば、今や前田敦子のことであるが、うどんファンの間では、

断じて前田敦子のことではない(笑)


お父さんが香川県の坂出から上京、中野に店を構えたのが1962年。

あっちゃんで、2代目である。



うどんブームは1995年くらいからとされている。

はなまるうどんが2002年に渋谷に店を出して香川のうどん文化を東京に上陸させ、

この五、六年で、東京でもやっと讃岐うどんらしい、うどんが食べられるようになってきた。

それまでは、本当に不毛だった。


創業50年のこの店は、うどん文化的には「極東」(笑)とされる東京、

蕎麦とラーメン天下の東京でで、

40年以上孤軍奮闘してきた大先達である。


山橋氏は、いわば香川系二世の東京人で、

生まれ、育ちは東京であるが、香川に強い愛着を感じており、

香川県にあるお墓参りも毎年欠かさない。

店内も、香川の香り満載である。






肝心のうどん。

冷やしの、かき揚げうどん。

麺は、手打ちの極太、太麺が基本だったが、最近細くなって来ているような気がする。


当然手打ち手切りで、大きな団子をどんどん延ばしていくあっちゃんの仕事ぶりを見るのも楽しい。

また、ジャコ天などで、一杯やることも可能だ。




是非東京讃岐うどんの老舗中の老舗、

「四国屋」

を訪れて頂きたいものだ。



ところで、写真を整理していたら一年半ほど前のものにも面白いものがあったので、今回はそちらも使用してみた。




これは、7月に名古屋にオープンした太門の店長と訪れたときの写真。

この時太門店長はまだ、うどん系企業に勤めるサラリーマンだった上に、東京に住んでいたので良く一緒に食べにでかけたものだ。

しかし、ハイパーうどんクリエーターとなり、店を構えた現在、こんなショットも貴重なものとなってしまった。



大して時間は経っていないのだが、心なしか若い二人(笑)


そういえば、この店内で整体をさせてもらったり、香川出張整体を始めたとき、

第一号のお客さんが何故かあっちゃんだったりと、面白い思い出が沢山ある。


僕は新中野で暫く週1回施術することになったので、四国屋さんに来る機会も増えるだろう。

今日は新中野施術初日だったので来てみたのだ。


今後が楽しみである。






今日の四国屋さんののれん。

上の提灯が「四国」を物語っている。

讃岐うどんだから、他の三県は関係ないじゃないか、

と思われるかもしれない。

しかし、50年も前の東京では「讃岐うどん」

なんて言葉はほぼ通用せず、香川県もどこあるか分からない人が殆どだったろう

(今でも多いような気がするが(笑))


せめて、四国四県束にしないと太刀打ち出来なかったという背景があるのだろう。

四国というくくりにしたって、未だに

四国四県が言えなかったりする人がざらに居る東京である。

あっちゃんには、讃岐うどんというか、香川の東京切り込み隊長としてまだまだ頑張ってもらいたい。

店舗情報

03-3380-4598

中野区本町4-36-3
最寄り駅・丸ノ内線新中野

定休日 日曜日・祝日/月曜日

営業時間は深夜二時となっているネット情報も多いが、現在はもっと早く閉まるのでご注意を。

電話確認が無難だと思う。

新中野施術の情報は下に。ついでにご覧下さい。

頭蓋のゆらぎHP = http://www006.upp.so-net.ne.jp/shin-seitai/

ブログ http://yuragu-zugai.blogspot.jp/

新中野ヨガスタジオ Always Laughing → http://always-l.com/  新中野駅徒歩10秒